2015/12/26

Uターン移住を考える年末年始の帰省術


みなさん、メリークリスマス!

少し遅れたとしても言い切ることが大切...!

ということで、「移住ADVENTER」のラストは、京都移住計画の田村がお送りします。
※移住ADVENTERって何?という方はこちらへ。

移住ADVENTERについて、ご理解頂いたところで、

遅れながらも頑張って書きますので許してください
( 誰に謝ったらいいのか分かんないけど...)。

さぁ、クリスマスも終わりましたが、皆さんは年末年始はどのようにお過ごしの予定でしょうか?

地元に帰ってゆっくりという方も多いかと思いますが、今回は「ゆっくりできない」移住計画的な帰省術を3ステップでお届けしたいと思います。

STEP1:自分の中の正解や幸せを考えてみる。


Uターン移住に限らす、どこかに移り住む上での大事なことは、自分が幸せでいれるかどうか?や自分の幸せって何なんだろう?をきちんと言語化できていること。

なような気がします。

「自分のやりたい仕事」がないと厳しい人もいれば、
「仕事は自分でつくるもんだ」という人もいます。

「本屋や映画館」がないと厳しいという人もいれば、
「amazonで十分だ」という人もいます。

必要条件や十分条件は、人によって異なるがゆえに、どこで生きていくかの正解は、自分の中にしかないのです。

では、そんな「自分の中の正解」とは何なのでしょうか?
「幸せとは何か?」と置き換えてもよいかもしれません。

そんな事をいきなり言われても難しい!って人は、
自分の中の「興味のあること」「好きなこと」の
キーワードだけを書き出してみると良いかも。

僕が京都にUターンをした時に考えていたことは
ざっくり以下のようなキーワードでした。

「シェアハウス」「ベンチャー支援」「キャリア教育」「ゲストハウス」「人材紹介」「まちづくり」「NPO」「コミュニティ」「町家活用」...etc。

みなさんの中のキーワードは何でしたか?


STEP2:調べて会ってみる。発信して紹介してもらう。


キーワードが出て来れば、後は簡単。人に会うだけです!
と言っても、どうやって会うんだ?という問題がありますが、google先生や、facebookやtwitterなどを駆使します。

この際の注意は、いきなり自分の地元の市町村単位ではなく、県単位で広く探す方が賢明です。絞りすぎるとなかなか出会えませんが、エリアを広げると自分のキーワードに関わる人たちが出てくるはずです。

自力で調べても難しい場合は、キーワードをSNSに投稿して、誰かに紹介をしてもらうというのも手かもしれません。

僕は京都に帰ったらこういうことをしたい!ということを色んな人に言うことで、運良く人を紹介してもらえ、その出会いが背中を押すことになりました。

そうして地元に自分のロールモデルになるような人や先駆者的に取り組みをされている人の話を聞くと、Uターンの可能性や課題が見えて、現実味を帯び始めます。


STEP3:面白い人を紹介してもらい、つながり続ける。


さて、地元で一人でも面白そうな人との出会いがあれば、その人からまた面白そうな人を紹介してもらいましょう。

自分のキーワードやビジョンを語っていると不思議とそういう人と出会えたり、紹介してもらえたりする機会が増えてきます。

その出会いをその場限りにせず、年末年始以外にも関係を保ち、例えば東京にいるのであれば、そこからできる関わりを探っていくようなことができると良いかもしれません。

離れながらも、地元にできることは何か?

そういった地元との関わり方をアップデートすると、地元側も喜んであなたの力を借りたいと思いますし、新たな人脈の広がり、仕事をつくることになるかもしれません。

そんな事を積み重ねていくとUターンもそう遠い未来の話ではなくなってくるように思います。

だからこそ、Uターン移住を考えているのであれば、年末年始は、いつもと違った帰省をしてみてはいかがでしょうか?

また、各地で年末年始に故郷への想いを馳せるようなイベントがありますので、ご興味ある方は以下をチェックしてみて下さい☆

▼信州
【12月28日(月)開催!おそらく全国初企画】年末はみんなで帰ろう!信州帰省特急!!
→京都から信州に向けての特急を貸し切る企画

▼鹿児島
【12/30-31】Work Style Day 2015(24hイベント)
→24時間ぶっ通しで鹿児島のいまを知るイベント

▼京都
【残席10名様/日】Discover Another Kyoto ー京都に還るをつくる3日間ー
→京都の田舎の仕掛け人12名と共に未来をつくる3日間

▼信州
【1/11 14:00〜@目黒】信州移住茶論vol.1〜好きなまちで自分らしく暮らす〜
→移住した人や検討中の人同士がつながる移住茶論。

さて、移住ADVENTERは、僕が言い出しっぺではありませんが、これにて終了となります。

色んな地域で暮らす人たちのそれぞれの声を聞きながら、
どこの誰かは抜きにして、その土地で何か想いを持ちながら、今日も生きている人がいることになんだか嬉しく思えました。

それでは、ご協力頂いた皆さんへの感謝と共に
また来年もよろしくお願いします!

2013/04/06

マチオモイの優しい未来


「わたしのマチオモイ帖」が先日、約1ヶ月の会期を終了しました。

京都会場の担当をしながら、
感じたことや思ったことを、振り返り書き留めておきたいという思いと、お世話になった方々へのお礼の気持ちを込めて、久しぶりにブログを書こうと思う。

「my home town わたしのマチオモイ帖」(以下:マチオモイ帖)とは、全国のクリエイターが、それぞれ自分の思いのある「町」を冊子や映像で紹介する展覧会で、今年で3回目を迎える。




はじまりとこれまで

マチオモイ帖のはじまりは、瀬戸内海の因島出身のクリエイターが、自分を育ててくれた町に思いを馳せ、作った一冊の手のひらサイズの冊子からはじまり、その町名から「しげい帖」と名付けられ、町の人々に配られました。

これをきっかけに、2011年6月に関西のクリエイターの方々34組の作品展示から「マチオモイ帖」はスタートし、2012年に340作品と大きく出展数を伸ばし反響を呼び、さらに今年は700以上の作品が全国13カ所で同時開催という大きなうねりとなった。

そんなマチオモイ帖との出会いは、メビック扇町を会場とした昨年の春。
ちょうど東京からUターンして京都に戻ってきて、自分にとっての地元であったり暮らす場所について想うことが多いタイミングで、沢山の同志に出会えたようで何だか嬉しくなった記憶がある。

こうして1年後、まさか会場の企画運営として関わるとは思ってもみなかったが、良い機会を与えてくれた友人に感謝したい。

マチオモイ帖@京都

担当させて頂いた近畿2会場は、京都リサーチパーク町家スタジオという町家のギャラリーで、京都と滋賀の約40作品が並んだ。



作品展示以外に、「マチオモイZin作り」「マチオモイ歩き」といった企画を行い、マチオモイ帖をより深く味わうような場を、多方面でご協力頂き企画させて頂いた。

Zin部の方を講師に招き開催


滋賀県豊郷町。快蔵プロジェクトの皆さんとまち歩き

他にも「マチオモイサロン」というクリエイターの方をお招きして、作品へ込めた想いや、込められきれなかった想い、制作秘話などをお聞きするトークイベントを、計4回(8名)行った。

マチオモイサロン風景。「しげい帖」の村上さん飛び入り参加


小さな集落から学ぶこと

トークイベントの中でも、尾長という京都の丹波地方の小さな集落出身のクリエイターの方のお話に、これからの暮らしの希望のようなものを感じたのでシェアしたい。


尾長は南丹市に位置する22世帯、100名前後の人々が住まう小さな集落。


・まちのひと達はお互いが愛称で呼び合う

・皆がすれ違いざまに挨拶するのが当たり前

・独居のお年寄りの正月には、お隣近所が雑煮をつくって届ける

・夏にはその方から畑でとれたスイカがいつものように届く

・冠婚葬祭にはお隣近所が支援をしてくれる

・運動会が、高齢者も参加できる工夫(豆を隣に移す競争とか)がある

・「みんなの畑」という恊働する黒豆畑で外貨を獲得する

地域のみんなが顔見知りである状況や、みんなが挨拶をするといったこと、雑煮とスイカの一例が示すようにお互いができることを交換し合うことで、心もちとしては豊かに暮らしているということ。

以前のブログでも紹介した海士町の巡の環の阿部さんの話にも通ずるようなものが、実は少し足を伸ばせば近くにあるという新鮮さを感じ、一度訪れてみたいと思った。

地理的な環境がそうさせるのか分からないけれど、自分たちが暮らす場所で同じような取り組みをしていく為には、果たしてどんなことから考えていけばいいのだろう。


マチオモイの先の未来



考えのヒントはマチオモイ帖をつくる過程に、どうやらありそうだ。

「自分ごとになり自然とそのマチを歩くことになる」

言い方は違えど、そのように応えるクリエイターの方が多くいた。

歩くことで、これまで気づかなかったヒトやモノやコトの発見や、懐かしい人との再会や、忘れかけていた思い出や感覚を取り戻したりできる。

取材を通じて、まちの事を聞こうとすると、沢山のひとが想いを聞かせてくれ、まちを想っていたのは自分だけじゃないんだ、という感覚にもなったという。

来場者の方にもマチオモイの話を色々と聞かせてもらったけれど、もしかしたら多くのひとが、自分の暮らすマチのことについて、なかなかその想いを声にする場もなければ、聞くひとも少ないのかもしれない。

だとすれば、マチオモイ帖は、目に見える冊子や映像を通じて、そういう想いを表現できたり、町や人の小さな声を沢山集めることで、想いを深めていける場になっているんだろうなと感じた。


「町興し」は、一朝一夕には出来ませんが、
「マチオモイ」なら積み重ねてきた思いが誰にだってある


上の言葉は、昨年出版されたマチオモイ帖をまとめたブックレットで出会ったフレーズ。

なるほど、そうだなぁと思いながらも、まだどこかに辿り着けていないような感覚があるので、せっかくだからもう少し考えてみようと思う(いよいよ長くなってきた、、、)。


マチオモイとまちづくりの間にあるものとは?

ということ。


マチオモイとまちづくりの間



想いが深まり、集まったりしたその先は、どんな事が生まれるんだろう?


自分ごととして考えてみれば、

・一緒に暮らすマンションの住人に挨拶をしてみること

・スーパーではなく、近くにある八百屋で野菜を買ってみること

・昔からある近所の中がよく見えない喫茶店に入ってみること

・今まで素通りしていた歩いて10分の銭湯にいってみること

・できる事なら、ほんの少しおしゃべりをしてみること

マチを想うことは、近くで暮らすヒトを想うことにつながっているのかもしれないし、そんな小さなところからはじまる方が気楽だろう。

少なくとも僕はそうしてみたい、と書きながら思った。

オモイから始まるアクションの積み重ねが、マチをつくるのではないか。






マチを想って自分の暮らしの中で、ひとりひとりが、できる事は大それたことではなく、ごくごく身近なヒトとの関わり合いをより良くするような、小さくて優しいアクションからはじまる。

そんなひと達が増え、積み重なっていくと、わざわざ「まちづくり」という言葉の旗を掲げる必要もなく、まちはつくられていくような気もする。

気がするだけで、当然マチオモイとまちづくりの間にあるものについては、書き綴るだけで見えてくるものではないだろうし、これから日々の暮らしや仕事の実践を通じて、深めてゆきたいと思う。

なんだか尻切れ蜻蛉のような、結びになった感じがするけれど、「マチオモイ帖」の最後のページに、つまりはそういう事なんだなという素敵な結びの一文があったので、お借りして結びにしたい。

『マチオモイ帖』最後のページより

最後に朗報

奈良会場だった奈良県立図書情報館で、奈良、三重、和歌山の作品に加え、大阪、京都、滋賀を含めたエリアの作品を再び集め、4月16日〜マチオモイ帖を開催されるとの事。もし良ければ足を運んでみてください。

▼詳細はコチラよりご覧下さい。
http://www.library.pref.nara.jp/event/saho_art_music_2013/index.html

2013/01/23

京都での暮らしなおし-京都移住茶論を終えて-



HOTEL ANTEROOM KYOTO

先日1月20日(日)に、京都移住茶論の2回目を行いました。

京都移住茶論については、以前のエントリーよりご覧ください。 当日のプログラムや様子を少しばかりまとめてお伝えしていきます。

今回は参加人数が約40名と多かった為、事前アンケートを実施しました。



来場者の属性


・移住者が全体の2/3




・Iターン者がUターン者の倍以上


・移住してきて5年以内が9割以上


・岡山以西からの移住者は0名

・男女の参加率は半々、年齢層の中心は、20代後半〜30代前半といったところ



プログラム


●人を知る、場を知る。

●京都デモクラシー

●みんなのテーマで話そう

食事もこちらで用意をさせて頂き、終始なごやかな感じでプログラムを
終えることができました。事後アンケートの内容も良かったので一安心。

会場はアンテルーム内のレストランスペース






40人前の食事を準備をしてくれたメンバーに感謝

































企画の段階でおそらく一番考えたのが、最初のグループワークだったので、そちらについて書いてみようと思います。(グループワークといってもご飯たべながらのゆるい感じ)


人を知る、場を知る。

・現在の住まい毎にグループ分け












京都市には北区、上京区、右京区といった行政区が11個あります。そのエリアが同じ方と一緒のテーブルに分かれ、それ以外の京都市外、他府県といったグループを作ってもらいました。
移住を考える人の質問で、最も多かった問いを一緒に考えるワークを行いました。 その問いというのが、


「京都で暮らすのならどこがいいですか?」


初対面同士のテーブルも多かったので、同じ区のどこに住んでいるのか?何をしているのか?といった事を共有して、身近に暮らす人をお互いがしってもらうと同時に、その場所で暮らすことの魅力を、移住を考えている方に向けて考えて、伝える時間となりました。

発表は司会の立場から聞いていても、それぞれのエリアで特色があり、人それぞれの違った価値観を持って(特にIターンの方は)その場所を選んでいるように思えました。 特に同じエリアを選ぶ人は、何かしら大事にしたい事とかが似ているような気がします。(特に左京区グループのゆるい感じが際立っていました) 発表半ばからは、対抗意識が生まれたのか、どんどん発表が白熱する場面も。







































①どんなひと達が京都で暮らしているのか?(人を知る)

②住まう地域のどんな所が魅力なのか?(場を知る)



このワークを通じて、一緒に探っていきたかった事としては、以上の二つでした。
人数と時間の都合上、表面的なところの話になってしまうところもありましたが、今後の移住茶論を企画する上で、まだまだ改善の余地のある企画でした。 以下のような嬉しいコメントも頂き、引き続き企画をブラッシュアップしていきます。






移住を考える人を想うことで、日々の暮らしの中で新しい京都を再発見する。

そういう声をひとりひとりが発する機会を通じて、足下の暮らしを見つめ直すことで日々の暮らしの奥行きが広がり、普段目にする景色の解像度は高くなるように思う。そんな「暮らしなおし」をするような仲間が集うのが、移住茶論の新たな役割のように思えて嬉しい。

観光体験のひとつとして着物を着ることや、陶芸をすることなどもあってもいいけれど、特別なことでなく日常的に起こりえる可能性があるのが、ここで暮らすという事。

そういうものの本物に出会える機会を、この仲間と楽しんでいくことができるし、暮らしが豊かになるようなアイデアをひとつひとつ形にしていく計画をしていきたい。

そうしてIターンやUターンといった移住組が、京都で楽しく豊かに暮らしをしていく。
それが、これから京都に移住をしようと思うひと達にとっての光になると思う。
次回の2月は、お互いのことをもっとよく知れる人数(10名〜15名)で予定しています。ご興味ある方は、京都移住計画のfacebookページをフォローください。


今回ご利用させて頂きましたHOTEL ANTEROOM KYOTOのスタッフ(上田さん)にも開催に際して、色々とご相談にのって頂き、特別の配慮を頂きました。ありがとうございました。素敵な場所ですので、ご興味ある方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

HOTEL ANTEROOM KYOTO 

2013/01/06

1年のはじめに考えておくこと

2013年も始まって、早くも1週間が経ちますが、前のブログでは2012年の振り返りをした事もあり、せっかくなので続編として今更ですが2013年の抱負も考えてみました。

誰にでもできる簡単な作業なので、ご参考まで。

①漢字一文字に今年の「在り方」を書いてみる

②やらない3つのことを考えてみる

今年の抱負を漢字一字で書く

2012年のシェアハウスでの書き初め写真

昨年のシェアハウスでの新年会では、「1年をどんな年にしたいか」ということを漢字一字に込めた書き初めを皆でしました。どんな1年にしたい?と聞かれても、漠然としか考えられないものですが、アウトプットする事を強制することで、意外と出てくるものです。


2013年「基」


-自分の基本となる軸をしっかりと持ち、基盤を改めて作りなおしていく1年


2012年は、これまでの経験や繋がりのおかげで、できる事やしたい事に取り組んできましたが、そういう機会を与えてもらった感覚が強い1年でした。今年は、与えてもらう事だけではなく、創り出すことへシフトする1年にしたいです。

新たなものを創り出す為に、基盤となるコミュニティや、仕事の基礎を整えていくことが大事だと思います。そういう足下を固めることで、踏み込んだ時に、より高く飛べるような安定感を手にしていきたいと考えています。



今年やらない3つのこと


年のはじめの目標はたいてい新しいことを始めることを掲げる人が多いですが、
新しいことを始めることも、それを続けることもかなりエネルギーのいる事です。

けれども、今までしていた事を、やめてみる事というのは、エネルギーは必要としません。
むしろエネルギーは0になりますし、手持ちの時間も増えるわけです。

その余ったエネルギーや時間を、新たなことに使うという発想で過ごしてみます。

僕の今年やらない3つのことは以下です。


1.週刊系のマンガの立ち読み
マンガ大好きな人間としては心苦しいですが、毎週色々な週刊誌に目を通している時間は案外浪費している時間だということに気づかされます。読まなくてもいいものに、つい時間を奪われる。マンガから学べることは非常に多いのは分かっていますが、積み重なる隙間時間を考えると、別の事に時間を使いたいと思います。

2.23時以降の自宅でのPCやスマホ作業
睡眠を妨げる他、ほとんどが生産的なことをしていないので、23時以降は電源OFFにする。とにかくノートPCを閉じる事で、他のことをインプットすることや勉強する時間にあてる。
緊急の場合は除きますが、どうしても作業したければ早起きして早朝の作業にしてみる。

3.コンビニでの買い物
コンビニは非常に便利です。近くにあるしある程度のものは揃う。買い忘れや急ぎで必要なものがある時や、準備が面倒な時はつい頼ってしまいがちですが、時間の使い方や準備をしっかりとしていれば、実はコンビニに頼る必要はないのではないかと考えています。


明日から仕事始めという方も多くいらっしゃるかと思いますが、
皆さんにとって幸多き1年でありますように。

2012/12/26

京都移住茶論、はじめました。

12月21日、丸太町のとあるシェアハウスにて『京都移住茶論』を開催しました。


築70年のシェアハウスに20名そこそこの参加者が集い、こたつの上の2つの鍋を、皆で囲みながらの会話は、シェアハウスならではの雰囲気も手伝ってか、非常に居心地のいい時間が流れ、気がつけば日付も変わり、夜遅くまでお邪魔させてもらいました。

そこでの感想や気づきを書いてみようと思います。

京都移住茶論

移住茶論は「京都への移住」をテーマに集まる人と人がつながる事で、暮らしがちょっぴり豊かになるような場を目指して、試験的な0回目をへて本格的にはじめる事になりました。

スクリプトがないのでよく分からないけれど、京都移住計画と茶論の簡単な説明用のスライドをupしておきます。


参加者は計22名で、内訳としては、

Iターン者:12名
Uターン者:5名
移住希望者:2名
その他:3名

年齢層は20代後半から30代中盤までが中心の集まりになり、UターンやIターンといった自分の意思で京都で暮らす人もいれば、会社などの都合で転勤してきた人もいれば、京都に昔から暮らし続けて一歩も出たこともない人もいました。

お鍋を食べて腹ごしらえができてから、それぞれの自己紹介

その場に集う人々がどんな想いで、この土地で暮らしているのかをシェアする事で、京都への愛着が深まったり、一緒に暮らす仲間という意識が少しばかり生まれたように思います。


参加者の声で印象的だったのは、

「京都に暮らす友人に、移住することを後押ししてもらった」

「京都で暮らすアウトラインが描けることで移住しやすくなる」

というような、京都でのつながりがあったり、暮らしがイメージできたりすると、移住ということに具体的かつ前向きに考えられる人が増える。

そういう人が一人でも増える機会を、移住茶論では創り出していければ面白い。

その他にも「京都で暮らす」という事に対して、アンテナの感度が高い参加者が多く、京都での暮らしのいい点やわるい点もひっくるめて、どう暮らしていくのか、何を大事にして暮らしているのか、という価値観の交換をすることによって、京都の暮らしの多様性に気づく場面もありました。

そういった多様性が、きっと暮らしの豊かさにも繋がる。

何やら固い事を書いてしまったけれど、少なくとも京都へ移住したひと達が移住してきて良かったな、と思えるような場であったり、移住しようと思う人がもっと具体的に考えられたりする場に育っていけばいいと思います。


「どうして移住してきたの?(移住しようと思ってるの?)」
という問いからお互いを知る時間を通じて、繋がりができてゆく


恩送り

僕自身も今年の春に京都に帰ってくるまでの1年間で、何度も東京から京都に足を運び、京都で暮らすことのイメージや人のつながりができて「おそらく何とかなる」という感覚を信じて、京都で暮らすことになりました。

そう信じれた根拠は、やはり人のつながりに他ならない。


仕事を探していることを伝えると、仕事を紹介してくれたし、どこに住むかということも相談にのってもらえた。自分のしたいことを発信すると、それを広めてくれたり繋げてくれる人がいる。


そういう安心感がある地域やコミュニティがあると移住しやすくなるし、何より生き易い。


それらのお世話になったひとやコミュニティに対しての恩返しをするのもいいけれど、その恩を次の人へ渡すようなこと。そういう正の連鎖をつくっていきたい。


ちょうど淡路島で出会ったgreenz.jpの兼松さんが、「恩送り」という素敵なことばを使っていたのを思い出した。


僕だけではなく今いるひと達のつながりを大事にしていくことが、次に訪れるひと達を迎え入れる優しさにもなる。


そんな恩送りを京都移住計画を通じてできたらと思う。


自分の好きな場所で、好きなひと達と、好きなことをする

簡単なことではない気もするけれど、
一人ではできないことを、皆とならできる。

そう信じて次回も開催したいと思える素敵な夜でした。


追記:美味しいお鍋を準備してくれた田代さんをはじめ準備に関わってくれた人に感謝

次回は1月開催予定。興味ある方はfacebookをご覧ください。
場所の提供や手伝ってくれる方も随時募集中。

京都移住計画のfacebookpageはコチラ↓

2012/12/09

オルタナティブな生き方を考えるヒント


ユースシンポジウム2012



先週末ユースシンポジウム2012というイベントに、お声がけ頂き「こんな生き方も"あり”です」という分科会にてパネリストとして参加させて頂きました。そこでの気づきや手にした感覚のことを書きとめておきたいと思います。

ユースシンポジウムとは、「若者と共に生き方をデザインする」というテーマで、京都市ユースサービス協会が若者を取り巻く課題(生きづらさ)について支援者と若者と共に考える場です。

僕が参加させて頂いた分科会のパネリストは、以下の3名。

嘉村さん(NPO 法人場とつながりラボHome’s vi 代表理事)
木村さん(株式会社基地計画 代表取締役社長)
吉田さん(まなび∞カフェ 主宰)

お互い顔は見たことはありましたが、深いところで話をしたことはなかったので、
オファーを請けた際には、ふたつ返事で出たいと思える。そんなメンバーでした。

午前中の基調講演の内容としては、このブログでエントリーしているようなキャリア観ではなく、どちらかというと働きたくても働けないひとや、社会的弱者とされるひとたちに向けた生き方の支援をどういうアプローチでしていくのか、というような趣旨のものでした。

最近話題にされている『レイブル』ステージの方々に向けた内容に近いと思います。

僕が考えたり人の相談にのる際に論じていたキャリアの対象は、満足感の高低差はあっても、基本的な仕事は得れるという前提に立った上で、どう働いていくか、どう生きていくのか、という事が中心だったの対して、目の前の仕事を得ることができない人や、将来の見通しがなく不安を抱えている人たちや、その場に来ることすらが精一杯の人たちが参加者として比較的多いように見受けられました。

【引用】http://greenz.jp/2012/12/08/latebloome/

お伝えしたこと

午後からの分科会がはじまり、ワークショップでいざ彼らを目の前にすると、
僕の考えていたそういった前提をまずは捉え直す必要がありました。

捉え直し方として、参加者の言動や表情にとにかく集中して耳や目を向け、その場の言語的な情報や感覚的なものを手がかりに、関わりかたや接しかたを変えてゆく。
カウンセリングと違って多数の方を相手にするとなると、情報量も多く複雑になるので、
非常に疲労感が残る作業でしたが、自分の中では新しい感覚でした。

グループワークをしている間に、パネリスト4名で参加者のステージに合わせた内容で、
対話ができるようなかたちにするという変更を、短い間で行い各自が参加者の声を広いながら、グループワークで出た声を下に、パネリストが話をするかたちで締めくくりました。

その場で伝えたこと(少なくとも僕の中で)は、まとめると以下の二点になります。

●コミュニティがあると、生き方の幅(可能性)を広げることができる

●コミュニティづくりは、ひととひとをつなぐこと(応援すること)から始まる

というのも、それぞれ4人ともが、何かしらのコミュニティを自分で持っていました。
シェアハウスやシェアオフィスであったり、商店街や地域に根ざす活動であったりとかたちは違いますが、おぼろげながら感じた共通項はそんなところでした。

個人的にも、コミュニティがある種の社会資本になることで、生き方の下支えになり、幅が広がったという風に思います。自分ひとりでは何もできないけれど、コミュニティの力で自分の安全圏が広がり、冒険できるようになったり、時に傷ついたとしても、自分を肯定してくれる存在や仲間がいると思えば、思いっきり踏み出せる。そんな感覚です。

では、そういうコミュニティをどうやったら作れるのか?持てるのか?という問いに対しては、色々と答えは各パネリストから出ましたが、嘉村さんの答えに非常に共感できました。

それは「ひととひとを繋ぐこと(応援すること)」ということ

何人以上からをコミュニティと呼ぶのか分からないけれど、1対1の関係がその最小単位だとして、その2人をきっかけに3人、4人と増えていくことで、コミュニティはその人の周辺に育っていきます。そして、そういう小さな繋がり作りや応援を繰り返していれば、人は自然とその人を慕って集まりができるだろうし、誰かへの応援はきっとカタチを変えて、自分を助けてくれる何かになって返ってくる可能性が高くなります。

お伝えしたかったこと

※「ドロップアウトすることが、いいということでありません」

世間一般でいう普通(便宜上、会社に入って働くことをそう呼ぶ)から外れて、自分の道を進んでいくことが、必ずしも正解ではないということです。

そもそもどの道を選ぼうが、これだけ不透明な時代になると、正解は誰にも分かりません。
むしろ重要なのは、自分の選んだ道に納得感を持てるかどうかということで、会社員であっても納得感を持って過ごせていれば、それは幸せなことだと思います。

分科会の趣旨が、選択肢が一つ(会社員にならなければならない)というよりも、もう少しオルタナティブな働き方があってもいいよ。という事のはずだったので、そういう意味で会社員以外の働き方をしている僕たちがゲストになったとは思いますが、注釈的に、それが唯一の正解ではないという事だけは、伝えておきたかったわけです。

実際、僕自身は会社員を経験して良かったと思いますし、今も半分は会社員のようなものです。納得感を持って働ける環境があるのであれば、会社員の方がいいのではないか?と思うことすらあります。

「こうでなければならない」という狭い視野や少ない選択肢の考え方だと、窮屈になったりしんどくなると思うので、今思うと「そうじゃないくてもいいよ」というようなことが伝えれたら良かったのですが、そいう文脈でお伝えできていなかった面もあったのではないかと思い、反省をふまえて書き留めておきます。


最後に
パネリストの皆さん お疲れさまでした。今後ともよろしくお願いします。
分科会のコーディネートをして頂いた岡本さん ありがとうございました。

働き方のおすすめ図書

会社と独立の中間となるオルタナティブな働き方といえば、この本です。

2012/11/07

かわいい子は旅に出よう(後編)




「旅」をテーマにした対話型のイベントが11月11日に開催されます。
その告知とともに「旅」をテーマにつらつらと書いてみました。


前編で自分探しで旅に出る意味について少し書きましたが、
後編では、旅に出る事で身に付く力について書いてみます。

旅に出る事で身に付く力

スタンフォード大学の学者クランボルツが提唱する「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」

簡単に説明すると、
予期せぬ出来事が個人のキャリアを左右する。その予期せぬ出来事を避けるのではなく、
起きたことを最大限に活用する。そして偶然を積極的につくりだし、キャリア形成の力にするという理論です。

そういった出来事(偶然)を計画的に引き寄せるスキルが以下になります。

  • 1.好奇心[Curiosity]   
  • 2.持続性[Persistence]    
  • 3.柔軟性[Flexibility]       
  • 4.楽観性[Optimism]       
  • 5.冒険心[Risk Taking]   

これらのスキルセットを持って一人旅で起こる偶然の出来事を最大限に活用すると、
想像もしていないところへ自分の人生を運んでいける可能性が高くなります。

不確実性の高いこの時代は、ある意味一人旅をすることと似ている気がします。
自分の好きな人とだけのグループ旅行で、予定通りのバスや飛行機に乗り、
決まったルートを観光してブランド品を買って帰る時代ではなくなりました。
行き先がどこになるかも分からない、バスや電車も予定通りに来ない、
時には乗った船が沈没する事も起こりえる、そんな予測不能の時代だと思います。

だからこそ、予め誰かに決められた目的地ではなく、自分で目的地を決める必要がある。
そして、一度決めたルートに固執するのではなく、偶然の出会いや出来事を大事にして軌道修正しながら目的地へ向かう。

旅に出ることで、偶然を大事にしサバイブする力を身に付ける事ができる。

僕のアジア旅の例

2007年の秋に大学を卒業してから約半年間、東アジア中心に数カ国一人旅をしました。
最初に決めていたのは回る国くらいで具体的にどこそこという目的地を定めたわけではもありませんでした。国によって興味は異なるだろうし学びたい事も異なります。

目的地を決めて旅程までを決めてしまう事は、偶然を排除してしまう事になり。
人との出会いや宿の旅人との情報交換で行き先が変わる事もあれば行く方法も変わります。
帰国日もお財布事情とスケジュール(入社日に間に合うか)の間で折り合いをつけて決めるくらいのおおざっぱな感じでした。

1ヶ月程いた韓国では、日本からは飛行機ではなくフェリーを選択。
船上での出会いによっては、入国後の楽しみ方が変わると思ったからです。
飛行機のような固定された席で短時間なフライトだと、横の人と仲良くなる暇もありません。幸いフェリーだと大阪から釜山まで約18時間。たっぷり時間があります。

そこで出会った歳の近そうな韓国人の男性と仲良くなり、一緒に来ていたお父さんを紹介され、釜山到着後に彼のご家族が待つご自宅にお邪魔し、ランチを頂くことになりました。
その後、彼の友人を何人も紹介してもらい、ガイドブックいらずの滞在を楽しめました。

上の例は交通手段をフェリーにする事でおきた偶然がきっかけでしたが、宿泊先もホテルではなくゲストハウス(安宿)のドミトリー(相部屋)なんかに宿泊すれば、そういった偶然が起こる可能性は高くなります。

偶然との出会いは、一人旅をエキサイティングでプライスレスな経験に変えます。

偶然の正体と出会い方

では、今回のエントリーで書いてきたこの「偶然」とはそもそも何なのでしょうか?

答えは一つではないと思いますが、
旅を絡めていうと「人との出会い」が鍵になっている気がします。

ある人との出会いで、何かが変わるというのは、旅でも人生でも同じです。
人との出会いが先ほどの偶然性を引き寄せる鍵だとすれば、外国にいようが日本にいようが、偶然と出会う事は可能です。

冒頭でもお伝えしたとおり11月11日のイベントは、そんな偶然に簡単に出会える素敵な催しになると思います。連日ミーティングを重ねて当日の準備に備えています。

京都新聞の朝刊に掲載されました

自分の人生を軌道修正するような偶然を引き寄せたい方は、是非旅daysへご参加下さい。

少し中身のお話をすると、個人的に楽しみなのは、「旅×起業」のテーマです。
「みんなで旅をつくる、新ソーシャル旅行サービス」trippiece代表(現役大学生)を招き、
旅をした後から起業までのエピソードなどを主にお話してもらいます。

最後に、そういった旅の偶然から目的を見つけた方の著書のご紹介。
著者のジョンウッド氏もきっとそういう偶然で人生を軌道修正した人だと思います。
旅先の偶然から導かれるように、ソーシャルアクションを起こしていく作品。
ビジネス書としての要素もあるので、読み応えたっぷのお薦め一冊です。

いい本との出会いも、いい人との出会いと同じくらい大事ですね。